睡眠と基礎代謝量の深い関係
ダイエットを目指すなら、基礎代謝量を上げるのがもっとも効果的な方法です。
筋肉の量が多い人ほど基礎代謝量は上昇するので、適度な運動やストレッチを行うのが効果的ですが、じつは睡眠というのも基礎代謝量のアップと深い関係があります。
睡眠中は、体づくりのための大切な時間で、タンパク質が合成されたり、成長ホルモンが分泌されたりといったことが起こります。
日頃から良い睡眠を取れば、質の良い筋肉が作られ、基礎代謝量も自然と増加するというわけです。
しかし、最近は睡眠時間の短い人の割合が増加しています。
睡眠時間が短いと、体づくりにも悪影響が生じる他に、自律神経のバランスも悪化してしまいます。
自律神経のバランスが乱れると、食欲をコントロールする脳内物質「セロトニン」と、食欲を抑制する働きをする「レプチン」というホルモンに悪影響が出てきます。
レプチンは、体脂肪が増加したことを脳に伝達する作用を持っていますが、この分泌に乱れが生じると、満腹感を得られなくなってしまい、別に空腹ではない時に食欲が出てしまう、という恐ろしい現象が起こるのです。
実際のデータとして、4時間という短い睡眠を2晩続けると、血中のレプチンが18%も減少するという報告もされています。
セロトニンは、ストレスに応答する脳内物質「ノルアドレナリン」と、食欲や性欲などに関係が深い脳内物質「ドーパミン」を制御しています。
睡眠不足の状態が継続すると、セロトニンの分泌が抑制されてしまいます。
結果として、ドーパミンの作用が暴走することになって、過剰な食欲が発生して、暴飲暴食の原因となるのです。
また、十分な睡眠時間を取らずに夜更かししていると、夜中に、つい夜食が食べたくなってしまいます。
これでは、運動やストレッチをしても、摂取カロリーオーバーに陥ってしまうでしょう。
ダイエットはもちろん、心と体の健康のためにも、睡眠は十分に取るよう心がけましょう。