基礎代謝量の月経・妊娠による影響
基礎代謝量とは、安静にしている時に消費されるエネルギー量です。
私達の体で消費されるエネルギーの多くの部分を占めている基礎代謝量は、人によって様々に異なっています。性別や年齢、体格、人種によっても基礎代謝量は、異なりますが、その他にも基礎代謝量に影響のある原因になるものには、いくつかのポイントがあります。
基礎代謝量は、栄養状態によっても異なってきます。
栄養状態が悪い人は、タンパク質の合成能力が下がるため、エネルギー消費量が低く抑制されてしまいます。偏食で栄養に偏りがある人、無理なダイエットを継続して行っている人、長期にわたる慢性的な栄養不足、栄養失調症を煩っている人などは、通常の人と比べて、基礎代謝量が10%から30%ほども低いと言われています。やせるためのダイエットも、無理をすると、逆にやせづらい体を作ってしまうのです。
風邪を引いたために体が発熱し、体温が高い状態の時にも基礎代謝量は上昇します。
体温が1℃上昇すると、その影響で、基礎代謝量は13%増加します。
基礎代謝量をコントロールするのは甲状腺ホルモンですが、このホルモンの分泌が増加するバセドウ病などでは、通常の2倍もの量となることがあります。
また、女性の場合には、月経の影響により基礎代謝量が変動します。
通常、月経中は基礎代謝量は最低値となり、その後、次第に増加していき、月経が始まる2、3日前には基礎代謝量は最高まで上昇します。
ダイエットを目指している女性は、基礎代謝量が上昇する月経が始まる直前が、効果的なポイントと言えるでしょう。
この時期に活動エネルギーを増加させれば、より効果的にダイエットが可能というわけです。
妊娠によっても、基礎代謝量は変動します。
妊娠4ヶ月目までは特に際だった変化は見られませんが、胎児が成長するにつれて増加して、妊娠後期には、およそ20%も増加します。